2011年10月02日
畠山直哉展と東日本大震災と文化財レスキュー展
「畠山直哉展 ナチュラル・ストーリーズ」と「東日本大震災と文化財レスキュー展」(どちらも産経新聞社主催)が10月1日から始まりました。
畠山直哉さんは本展の中で被災した故郷、陸前高田を取り上げています。被災後 と被災前、3.11以降は何かが変わったといいます。「東日本大震災と文化財レスキュー展」では、岩手県内の博物館で被災した資料などを修復する様子の写 真とともにその助け出された資料も展示、紹介しています。
岩手県陸前高田をひとつのキーワードとしてつながる二つの展覧会、ぜひ一度、ご覧になってください。両展とも産経フォトに詳しく紹介されています。
東京都写真美術館で12月4日(日)まで
代官山ヒルサイドフォーラムで10月10日(月・祝)まで
2011年09月29日
出光美術館の大雅 「描くのは筆だけじゃない」
江戸時代の文人画の巨匠のなかで、池大雅ほど数々の奇行癖の逸話を持つ画家はいないでしょう。今、東京有楽町の出光美術館では「大雅・蕪村・玉堂と仙厓」が開催中です(10月23日まで)。
「布袋童子図」を描いた青年期、大雅は指頭画の技法に凝っていました。小指を立てて残りの指で団扇を押さえるという描き込みは、自在に指が曲がるおもしろさが表されているのでしょうか。指頭画は、指先や爪を使って絵を描くひとつの手法で、中国では古くからあるものです。爪にためた墨によって鋭く滑らかに、擦れて飛び飛びになる線のおもしろさに夢中になったことでしょう。
筆以外で描く絵や書は、思わぬ効果があらわれることもあり面白いものです。
産経新聞社では、「書のアート展」の作品を募集しています。この公募展は毛筆、硬筆、創作の3部門で創作部門は筆具以外なんでもありです。例えば、マッチ棒、竹串、木材、野菜、草花などなど。もちろん指でも!
出品料は1万円から。
作品搬入締切は、10月31日(月)。
展覧会は平成24年4月18日(水)~23日(月)、東京都美術館で行います。
募集要項・出品票の請求は〒100-8079産経新聞社企画事業局内「書のアート展」事務局まで。詳しくは、事務局03-3275-8902へ。
2011年09月27日
世界遺産 ヴェネツィア
現在、江戸東京博物館で「世界遺産ヴェネツィア展」が12月11日まで開催中だ。
世界遺産「ヴェネツィア」の黄金期から爛熟期まで、そしてゴンドラ、ガレー船にイメージされる、ヴェネツィア共和国に富をもたらした「海」、選挙で選出された総督や共和制について、また華麗なる貴族の暮らしなどをヴェネツィア派絵画や衣装、書簡、ヴェネツィアグラスなど様々なものにより知ることができる。ヴェネツィアという都市がいかに文化的な成熟度が高く、栄華を誇っていたのかがよくわかる。
実は、2001年、産経新聞社は日本におけるイタリア年の記念企画として「華麗なる18世紀イタリア ヴェネツィア絵画展」を開催した。絵画展と今回のような博物展といった内容の違いはあるが、大変懐かしく感じた。うれしかったのはカナレットの《柱廊のあるカプリッチョ》に再び会えたこと。カナレットはいつ見ても不思議で美しい。
今回、これぞヴェネツィアだと思ったのはヴィットーレ・カルパッチョの《サン・マルコのライオン》(=写真)。

これを見て、ティエポロの《ヴェネツィアに富を捧げるネプトゥヌス》を思い出した。どちらもドージェの住むドゥカーレ宮殿所蔵の作品だ。ティエポロのこの作品を借りるのに何度も何度も通ったのを思い出した。2001年の時はこのティエポロがこれぞヴェネツィアだった。
苦心して作り上げた展覧会はもう二度と見ることはできないけれど、記録としての図録は残っています(表紙がこのティエポロの《ネプチューン》)。

カナレット、マリエスキ、グアルディ、ピエトロ・ロンギ、セバスティアーノ・リッチ、ペリグリーニ、ピアツェッタ、ピットーニ、ティエポロ、ロザルバ・カリエーラ・・・。18世紀のヴェネツィアを彩る作家の作品をよくこれほど集められたものだと今更ながらに感心してしまいます。
エッセイは、
「18世紀ヴェネツィアにおける文化と社会」ジョバンナ・ネピ・シレ
「ヴェネツィア18世紀、形態と表象」ジャンドメニコ・ロマネッリ
「ジャンバティスタ・ティエポロと18世紀ヴェネツィアの偉大な装飾」フィリッポ・ペドロッコ
「ヴェドゥータ(都市景観画)」石鍋真澄
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2011年09月19日
石川直樹と畠山直哉
石川直樹と畠山直哉
自然と向き合う二人の写真家の展覧会が相次いで開かれる。
石川直樹「8848」が東京・台東区谷中のギャラリー、SCAI THE BATHHOUSEで10月22日(土)まで開かれている。10年前に登ったエベレストに再度挑み、「エベレストに関するすべての事象をきちんと記録する」ことを目指した。中判のフィルムカメラを担ぎ、120本のフィルムを携えていったそうだ。そのありのままが記録され、そこにある。標高8848mの世界最高峰の世界が広がる。美しさのなかに身の引き締まるような緊張感を感じる。
一方、畠山直哉は東京・恵比寿の東京都写真美術館で「ナチュラル・ストーリーズ」というタイトルの写真展を10月1日(土)から12月4日(日)まで開催する。この展覧会では、石灰岩や石炭などの工場や採掘現場、その跡地を捉えたものなど普段あまり人が行かないような、見ることのない風景を捉えた写真を展示する。そこには、自然と人間の生活との関わりの接点や、その場と人間との時間のやりとりを感じさせる独特の描写がされている。
両者の自然へのアプローチや考え方はちょっと違う。しかし、その作品はどちらも壮大で畏怖を感じさせられる。また、どちらも写真家は対象から一歩離れたところで冷静に見つめている。
石川直樹(1977生)と畠山直哉(1958生)。
一体何が違うのか。何が似ているのか。
是非、ご自分の目で確かめていただきたい。
二人の年齢差は19。
2011年09月13日
出光美術館へ行こう!
「大雅・蕪村・玉堂と仙厓」と題する江戸の笑いをテーマとした展覧会がはじまりました。出光美術館で文人画が多く展示されるのは十数年ぶりです。
ひょうひょうとした布袋さまや寿老人など「笑い」の達人が腹や頭を抱えて楽しそうにしています。自嘲したり、社会を冷笑したり、仲間をほほえませたり。何物にもとらわれない自在で自由な彼ら・・・。四者四様の笑いを愉しんでみてはいかがでしょうか。
仙厓さんの優しく、それでいてシニカルな笑いは期待を裏切りません。



























