〈大唐西域壁画〉と〈大唐西域画〉
〈大唐西域壁画〉は、30数年前に奈良・薬師寺に玄奘三蔵院を造ることが決まったとき、平山画伯が当時の高田好胤管主に「モニュメントとして何か考えましょう」と申し出されたことをきっかけに誕生しました。平山画伯は依頼画ではなく、献納すると約束され、さらに「薬師寺さんは玄奘三蔵を建物で顕彰してください。自分は壁画をもって顕彰させていただきます。」と純粋な気持ちで制作に臨まれました。
1984年には玄奘三蔵院の起工式が行われ、画伯も壁画の制作に着手。以来16年間、画伯はその製作過程を一切公開されませんでした。そして2000年12月31日、20世紀最後の大晦日に奈良・薬師寺玄奘三蔵院で入魂式を挙行。最後のひと筆が入れられ、大作が完成しました。
この壁画は、長安を発ち、高昌故城の遺跡や最も難所であった天山を越え、ヒマラヤ山を仰ぎ仏跡ナーランダをたどり天竺に至る、玄奘三蔵求法の旅とその精神を描くもので、7場面13画面からなり、縦2.2m、横の合計49mの大壁画です。
今回展示する〈大唐西域画〉は、この壁画と全く同じ作品を、縦80.3cm、横の合計15.171m(50号)の日本画に縮小して描かれたものです。より多くの人々に見てもらいたいという平山画伯の強い思いのもとに制作されたもので、非常に重要な位置を占める作品です。

〈大唐西域画〉より《明けゆく長安大雁塔 中国》 2007年






