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2021年9月15日

「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中

印象派からエコール・ド・パリの時代にフランスで活動した作家による74点の絵画を化粧道具と併せて紹介する優しい展覧会。タイトルの「甘美なるフランス」とは、美しく穏やかで、稔り豊かなフランスを賛美するために、古くから親しまれていた表現です。

ピエール・オーギュスト・ルノワール 《レースの帽子の少女》 1891年 油彩/カンヴァス

ピエール・オーギュスト・ルノワール 《レースの帽子の少女》 1891年 油彩/カンヴァス

フランスが美術の分野でひときわ輝きを放った時代、そこには近代化が進む中で新たな「甘美なるフランス」を享受する若い画家たちの姿がありました。印象派の画家クロード・モネは、変貌するパリの情景を肯定的に捉え、鉄道の発達で行きやすくなった近郊の風景を描きました。

クロード・モネ 《睡蓮》 1907年 油彩/カンヴァス

クロード・モネ 《睡蓮》 1907年 油彩/カンヴァス

晩年は北フランスのジヴェルニーに住み、そこで描いた数々の情景は、私たちに「甘美なるフランス」を実感させてくれる作品群です。なかでも自ら造った睡蓮の池をテーマにした作品は、モネの美の王国の象徴となりました。

アンリ・マティス 《襟巻の女》 1936年 油彩/カンヴァス

アンリ・マティス 《襟巻の女》 1936年 油彩/カンヴァス

一方、20世紀前半の美術を代表する画家アンリ・マティスの作品に感じられるフランス的な洒脱さも、私たちを惹き付けてやみません。彼は生涯にわたって室内の女性像を描き、モデルと服装、室内装飾が一体化した小宇宙を生み出しました。ここに紹介するスカーフを付けた女性像も、力強い造形美とモダンな雰囲気とで私たちを圧倒します。

ラウル・デュフィ 《パリ》 1937年 油彩/カンヴァス

ラウル・デュフィ 《パリ》 1937年 油彩/カンヴァス

この頃、パリは世界的なファッションの中心地になっていましたが、そこで展開するセンスと美術の世界でのこうした試みは、同じ土壌の中で熟成し、多くの人々を魅了する新たな「甘美なるフランス」という果実を実らせていったのです。

(Bunkamura ザ・ミュージアム 上席学芸員 宮澤政男)

《開催概要》
「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」
【会期】9月18日(土)~11月23日(火・祝)
【会場】Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)
【主催】Bunkamura、TBS、公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
公式HP:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_pola/